UV(紫外線硬化型)インキ

UVインキとは、紫外線硬化型インキとして紫外線(電磁波の一種)のエネルギーを吸収することによって
硬化(乾燥)して、インキ皮膜を形成するインキです

UVインキには揮発性有機化合物(VOC)を使用しておりません
また、乾燥させるときに、油性のオフ輪のように、火力(ガスを燃やしたり)を使ってインキの蒸発乾燥を行なう
必要もないことで、大気汚染の心配が無いというメリットがあります

印刷では、裏付というインキの裏移りが発生することがあります
インキが瞬間に硬化するため、油性印刷物のような乾燥時間を必要としないため、
直ぐに後加工を行なえるということになります。
あわせてUV印刷では、スプレーパウダーや板取作業も不要になります
納期の短縮、乾燥スペース不要という部分でも、大きな効果があります

しかし、改良すべきデメリットもあります
色によって硬化速度が異なる
「白や墨」は他のインキに比べ、顔料そのものの特性により乾燥不良が起き易いようです
特に墨は高濃度で印刷した場合に硬化不良になり易い傾向があります

温度依存性が大きい
油性インキでも温度による粘度や粘着性(タック)の変化はありますが、それ以上にUVインキは温度による変化が激しいインキです
全く同じインキであっても、休み明けの冬の朝(機械低温状態)では、ヘラでインキが出せないくらい硬くなったり、反対にひとしきり回した夏の夕方(機械高温状態)には壺のインキをヘラで掻き取るのも困難なほど軟かくなることもあります

高光沢を得ることが難しい
これは、印刷直後、皮膜分離したインキが充分なレベリングを得られないままUV硬化(乾燥)によって皮膜が固定されてしまうことがその主な要因のようです

油性に比べ乳化適性が劣る(水幅が狭い)
ひと昔に比べればUVインキの乳化適性は非常に良くなったようですが、油性インキに比べるとまだ汚れやすく乳化しやすい傾向は残っております

※部分的に、東洋インキ様の資料を参考に作成をさせて頂きました。