このコラムがアップされる頃には、9月に岸田政権のもと解散総選挙があるかないかという情報が巷に伝わっているという私の予想です。
はたして実際には、どうなのでしょうか?
国政選挙がある際、掲示判に張るポスター印刷の前には、政治活動ポスターが制作されるのですが、その際にご相談や注文をいただます。
ご相談の中で一番多かったのが今回のテーマとなります。
なぜポスターは、色褪せてしまうのでしょうか?
色褪せを防ぐ方法がないのですか?
という質問を「机上」ではなく実証実験をもとに利用するお客様目線でお伝えしていきます。
1.ポスター印刷の色褪せとはなんですか?
2.ポスター印刷が色褪せる原因はなあに?
3.色褪せない対策はどんなものがあるの?
3.1 耐水紙(ユポ)での印刷
3.2 耐光インキ印刷での印刷
3.3 耐光インキ印刷+PP加工
3.4 耐光インキ印刷+UVカット加工
3.5 ポスターを張り出す位置
4.実際どのくらい使えるの?
5.色褪せない対策のまとめ
「ポスター印刷の色褪せとはなんですか?」
選挙ポスターや政治活動用のポスターを屋外掲示にて利用する際に気になるのは「色褪せ」です。
色褪せというのは紫外線や雨風の影響により、ポスターの色が薄くなったり、変色して見えたりすることです。
色褪せはポスターで印刷されている政治家の印象をそこなうだけでなく、伝えたい好印象を逆に低下させてしまう原因となります。
「ポスター印刷が色褪せる原因はなあに?」
雨風
雨風は、印刷されたポスターの表面の印刷インキにダメージを与えていきます。
雨粒や霰などが、直接ポスターにあたりダメージを受けるだけではなく、
水分が蒸発乾燥される際に表面のインキの油分が乳化し流れさせたりしてダメージを受けていきます。
紫外線
紫外線は、メディアとなる「紙や合成紙」へのダメージ以上に、印刷された「インキ」に大きなダメージを与えていきます。
ダメージといっても削れていく感覚ではなく化学反応を起こし状態(色の見えかた)が変化してしまうことになります。
「色褪せない対策はどんなものがあるの?」
永久に色褪せない方法は無いのですが、どのような選択肢があるのかを説明させて頂きます。
「耐水紙(ユポ)での印刷」を検討する
耐水紙(ユポ)については、別ページで詳しく明記しておりますが、
耐水紙(ユポ)は、一般的に見るコピー用紙と違い水に溶けることなく、屋外利用に向いています。気づかないだけで、
花ポットのラベルやスーパーでのラベルなど水を扱う商品に数多く見掛けています。
「耐光インキでの印刷」を検討する
印刷で利用する「インキ」を変えます。
雪国では、積雪した路面を走るのに、スタッドレスタイヤを履いて走行します。極端ですが、このような感覚です。
スタッドレスタイヤを履くことで、積雪路面でも走行が可能となります。印刷においても、耐光インキに変える事で、ポスターの寿命を延ばすことが可能となります。
選挙ポスター専門店の実証実験では、耐光インキでのポスターは、72日程度の利用が可能と判断しました。
耐光インキを使って印刷した(Before After)です。72日経過で右のようにまで色褪せします。
72日経過の「耐光インキ」を基準に、PP加工や紫外線カットPPがどの程度持つのかを検証してます。
「耐光インキ印刷+PP加工」を検討する
印刷したインキの上にPPラミネートを行います。
雪国では、積雪した路面を走るのに、安全性を求めて4WD(四輪駆動)を選ぶ人が多いです。
雪の無い地域では、4WD(四輪駆動)は、燃費も悪くなることもあり余り利用されませんが、
駆動時には、滑りを抑えて安全に運転が可能となります。
ポスターにおいても、耐光インキの上にPPラミネート加工を行う事で、退色を大きく遅らせることが可能となります。
約1か月経過したポスター見本です。
左から2つ目「耐光」よりも、右二つ(UVC紫外線カット・PP)は、色褪せの違いに差が出ています。
「耐光インキ印刷+UVカット加工」を検討する
印刷したインキの上にUV紫外線をカットできるPPラミネートを行います。
雪国では、積雪した路面を走るのに、制動性を求めて4WD(四輪駆動)を選ぶ人が多いです。
しかし雪深い地域では、4WD(四輪駆動)だけでなく「車高」というのも重要になります。
車高というのは、車の高さなのですが。車高がF1カーのように、低床だとカッコよい、空気抵抗が少なくエコ
そんな評価が出来ますが、低床型のデメリットは、車が亀の子状態になりやすい事です。
高出力で4WD(四輪駆動)の車だとしても、お腹(ボディー)がつっかえては、力も路面に伝わらず駆動できなくなります。
ポスターにおいても、耐光インキの上にUVカットラミ加工を行う事で、
一般的なPPラミネートより更に退色を遅らせることが可能となりました。
「ポスターを張り出す位置」を検討する
ポスターを掲示する場所を考える。積雪した路面を走る場合「夜」よりも「昼」に走る方が、
視界も明るく気温も高くなりがちなので、路面の状態は安全になりやすいと考えられます。ポスターにおいても、どこに張っても同じと考えず、優先順位を考えましょう。
今回、東西南北どの位置に張り出すとダメージが大きいか?小さいかを検証してみました。
結果:ダメージが大きい順 ①東向き ②南向き ③西向き ④北向き となりました。
眼でみた色褪せ感の違いも大事なのですが、印刷機の測色機を用いて数値で判断しました。
色褪せが最も遅かったのは、予想通りの北向きです。色褪せが最も早かったのは、南向きかと予想してましたが、
予想を覆す東向きとなりました。南向きと西向きは、ほとんど色褪せ感は、変わらないというのが、正直な感想です。
張り出す位置をまとめると、北向きがベスト。
南向き・西向きも張らないという選択ではなく、いかにポスターに直接日光を当てない事が長期利用のポイントとなります。
「実際どのくらい使えるの?」
後援会の方が、が3カ月から6カ月で、交換されていることを認識してます。
今回、実証実験から印刷会社の眼からみると、夏場(4~10月)だとすれば、
①耐光インキでの印刷は、2か月間
②耐光インキ+PP加工は、4か月間
②耐光インキ+UVC(紫外線カット)加工は、+2か月の6か月と予想している。
①耐光インキの色褪せ品質までを基準に、UVC(紫外線カット)加工が、どれほど長く使えるかを検証中です。